屋号KCmitFの意味

2012年の7月に個人事業としての開業届を提出し、本格的に今の業務スタイルを介しして依頼8年の歳月が過ぎました。KCmitF(けいしーみっとえふ)の屋号の意味に関して、特別に自ら語ることはこれまでもあまりしてきていないのですが、質問された際には最近ではこんな風に答えています。

「“KC”は私のあだ名です」、妻がドイツで修行をしていたときに、仕事仲間達に私の名前を”Keisuke(けいすけ)”と紹介すると、とても言い難い発音のようで大概のドイツ人は “けすけ”、”けいしゅき”等、頑張って言ってみても上手く言えないので「もう面倒くさいから”KC”で良い!」と自然とKCと言われるようになった。

私は結構このエピソードが気に入っており、妻も帰国してから私のことをそのままKCと言い続けています。名前と言うのは他者に認識してもらう為のある意味記号であり、とかく私たちはシリアスに意味を持たせ過ぎて考えたり委ねたりしがちなのですが、その主観は異なる価値観の中で最も簡単に機能的に変容しても良いのだなと思えるきっかけになりました。

ですので、事業の立ち上げに屋号を考えるときに、意味的な部分は存在しつつも記号的にネーミングしたいと考えてKCを採用しました。所謂教科書的なセオリーであれば、「覚えられやすい」、「意味がすぐに伝わる」等を重視すべきなのでしょうが、あえて「覚えにくくても良い、それでも覚えてくれる人達と仕事をしたい」と息巻いていた青い記憶が微かにあります。

因みに”mitF(みっとえふ)”の部分はもっと具体的な意味がありまして、ドイツ語のwithであるmitにFを接続し、Fに関しては、

Family

Friends

Fan

Fellow

Folk

+

Football(おまけ)

という、一緒に生きていく、仕事をしていく、暮らしていく人達やことを表しています。と言う訳で、個人事業として、自分が「共に在りたいと思った人達と仕事をしていこう」という気持ちを屋号に込めています。たまにこの話をすると、ちゃんと意味があるので伝えた方が良いとアドバイスを頂くことも多かったので、このWebサイトの立ち上げを機に一度説明をしておこうと思った次第です。

8年間の業務を通じて、今ではもっとここに血肉とも言える”形”がくっついて来ているように思いますが、自分が語らずとも、KCmitFというネーム、記号を通じてものづくりに携わる人達の記憶に「何をしている人」、「何を成した人」が残っていくように日々精進を続けていきたいと思っています。

余談ですが、仕事で多くの外国人の仲間達と一緒に活動をする機会に恵まれているのですが、彼らはみんなしっかり”Keisuke”をけいすけと発音してくれます。とどのつまり、仮に言い難い音の名前だとしても、関係性に応じて正しく覚えてくれるものなのだと言うことを、直ぐに理解しました。初めて会った時の自己紹介で「難しいかもしれないからKCと呼んでくれて良いよ!」と伝えても、基本的にはKeisukeと呼んでくれる人達ばかりで、良い仲間たちに恵まれているんだなとつくづく思います。

Edwin & Meilin, Tony & Yen, Timo & Melanie, Kuma-san、いつも有難う!