ものづくりは日本のアイデンティティを支えている-2026年頭所感
◆年頭所感に向けてまず2025年の外部環境のレビューを
2026年の年頭所感をKCmitFに関わる皆様に向けてお伝えしようと思います。昨年は旧暦の新年に合わせて年頭所感を書き上げてみたのですが、今年の旧正月は2月17日と少し遅いので、このタイミングで今年の指針や現在の考え方を、激動の時代を共に生き抜く為に発信していこうと思います。皆様本年もどうぞ宜しくお願い致します。
ちなみに何故年頭所感を旧正月に合わせているかというと、アジアの国々では今でも旧正月(春節、Luner new year、Chinese new year)が日本で言う元旦にあたりまして、長期休暇や家族親戚が一堂に集まるタイミングとなります。中国をはじめ、私と関わりが深いシンガポールや台湾もそうですし、お隣の韓国の他、ベトナムやマレーシア等も旧正月が新年のお祝いのタイミングです。日本だけを考えた時は元旦が新年の始まりなのですが、私のミッションの一つ「日本のものづくりを世界へ繋ぐ」と言う観点から、アジアの時代を鑑み、且つ少しでもターゲット市場の生活様式、日本との違いに意識が向く様にと考え、昨年からアジアの旧正月に合わせて年頭所感を作成しています。

さて話はそれましたが、2025年も世界情勢は大きく変動を続ける一年でした。米国では第二次トランプ政権が始動し、新たな政策が次々と発表されました。ウクライナやガザでの紛争は残念ながら続いたまま、さらに情勢不安定な地域が世界で広がりつつあります。それぞれの立場の倫理、価値観、利害がぶつかり合ったまま、単純な西側と東側という従来軸をに収まらない世論が世界各国で広がっています。正義とは何なのか?これから世界はどうなっていくのか?多くの人々が不安を募らせた1年だったと思います。実態としては、世界のパワーバランスが大き歩シフトする最中にあり、経済情勢もその影響を大きく受けて、単純なグローバリズム拡大の時代は終わりつつあり、世界は多極化に向かっています。日本の製造業は燃料や資源を輸入に依存する背景もあり、製造コストの高騰等様々な影響を受けています。消費サイドを見てみると、物価上昇や先行きの不透明感により、消費自体が消極的になり世界の景気も停滞局面に入っています。越境ECなどもアメリカの関税や輸入に関するルール変更に伴う影響を大きく受けています。アジアにおいては中国の動静が環境変動要因となりうる為、インバウンド等様々な形で経済活動に影響を及ぼすことは既に体感済みの事と思います。
これらの世界情勢の日本への影響を見た場合、ベースの国内消費は先行きの不安感からまず消極的になります。そして資源、エネルギー、人件費の高騰が物価全般の上昇を引き起こし、さらに消費は消極的になっていきます。現在は為替の影響もあり外国人観光客の日本での購買消費は引き続き旺盛ですが、こちらも世界情勢と連動しますので、先は読みづらい不確定要素と考えておいた方が良いでしょう。言思えば昨年も同じ様な事を書いており、これらの状況の好転の兆しは未だ見えていないとも言えます。


◆2025年のKCmitFのレビューと2026年のサービスメニュー
2025年は業務テーマとして以下の3つを挙げておりました。1年経過しましたので、改めて自己評価を100点満点でしてみようと思います。
- 国内市場への啓発(BtoC、BtoB):60点
- 長期戦略としての海外販路開拓&事業開発支援(いまの事業テーマ):75点
- ものづくり産業支援側の支援(行政機関):90点
1.に関してはBtoCに関しては久我山の店舗を通じて「ものづくりを学ぶ会」を素材ごとに4回開催することが出来ました。あと2回ほど開催すると素材が一巡するので、2026年はさらにブラッシュアップした2巡目を運営したいと思います。また国内外の学生に対し、日本のものづくりの可能性を伝える機会も得る事が出来た事は非常に良かったです。一方でBtoB側の情報発信(※本ジャーナル)は告知も含めて3本のコンテンツに留まり、2026年度の継続挑戦項目となりましたので60点の評価です。
2.に関しては「人」へのアプローチを増やす事を検討し、海外研修サービスの企画設計が実現しました。様々に変動する海外の市場環境に対しても適宜対応が出来た部分もありますが、まだまだ改善の余地もあり、75点の評価です。
3.に関しては成果が出るのがまだまだ先なのですが、非常に難易度が高く、調整する幅や理解を得るためのコミュニケーションを重ねていく事に大きく時間を割く事になりました。しかし、根気よく対話を丁寧に続けた事で地域の方々が望む形で、また私がよそ者として中に入り込んで絡む事で、全体の推進に寄与出来た実感と実際の評価を得られたと思います。当然まだまだやるべき事は多く、成果が実るのも先になりますが、幸先として90点の評価をしています。

自己目標に対するレビューは上記の様になりますが、全体的なまとめとして冒頭に記した外的要因・マクロ視点での環境考察を踏まえて、その影響を大きく受けたものづくり・地域の現場で2025年の業務でKCmitFがこれからの「Key」になるであろうと感じた事をいくつか示させて頂きます。
a: 官と民の連携の仕方においては工夫の余地がまだまだある。
b: 長期計画でしか解決できない課題はあるが、それを実行すれば大きな希望はある。
c: コロナ禍以前の購買動機とは異なる、購買動機の変化と拡張の傾向が続いている。
d: 日本らしさ、日本の手仕事の価値を再評価することは、他の日本の社会課題解決の糸口になる。
これらのレビュー全体を踏まえて、2026年度も以下の様なサービスメニューで業務を進めていこうと思います。
【2026年のサービスメニューと価格】
(※詳細のご説明も含めた資料はこちらへ)
KCmitFでは2012年の開業当時から「伴走型支援」を謳い、事業者や地域の内部に入り込んで「“よそ者の視点を持った”チームの一員」として業務を遂行するスタイルを特徴としています。具体的には幾つかの仕事の請け方があるのですが、今年から定型化しているものに関しては価格も含めて公にしていくことにしました。新規契約時の価格は毎年変動する可能性がありますが、一度契約をした後に継続して仕事をさせて頂く場合は初回契約価格からの値上げは致しません。
(1)社外相談役サービス: 価格:30,000円(税抜)/月 最低契約期間:3ヶ月~
(2)定型業務委託サービス: 価格:60,000円(税抜)/月 最低契約期間:6ヶ月~
(3)海外研修サービス: 価格:200,000円(税抜)/1社 実施期間:3日(実施時期は最小催行人数に応じて調整)
(4)プロジェクト型業務: 価格:都度見積もり 最低契約期間:業務内容による
(ご理解のお願い)
KCmitFの業務は個人の人的資源を基本とした労働集約型の為、必然的に対応可能業務量に限界があります。(1)~(4)のサービスに契約社数の上限があることを予めご了承ください。但し、毎年の契約状況は変動がございますので、それに連動してそれぞれのサービス対応上限数も毎年変動致します。何卒ご理解のほど、宜しくお願い致します。

◆もうすこし先の未来への展望
2026年も掲げるミッションに大枠で変わる事はないのですが、2025年の取り組みを経て新たに加わった観点やテーマもあり、優先順位の組み替えも含めて下記の様に本年度のテーマをセットしたいと思います。
- ものづくりを軸とした人づくり/まちづくりへの貢献
- 伝統的工芸品を中心とした日本のものづくり産業の基盤整備への貢献
- 急速に変化する市場環境に対応した商品開発、流通と販売実績での貢献
テーマの詳細に関してはまた別の機会に本ジャーナルでご説明させて頂きますが、日本のものづくりの価値を再評価し、改めて日本人のアイデンティティの根源の部分を伝えていく事が大切だと思っています。またそういったプロセスを大人は勿論、若い世代の人材教育等へも活かしていく事で、地域が人口減少社会において抱える課題の解決の一助へ繋げていく事が出来ると思います。そして、日本社会の100年先を見据え、ものづくり企業がしっかりと生き残り、経済と社会貢献を持続的にする為の環境構築を図り、100年、200年企業を更に増やしていくべきだと考えます。これらを通じて、高齢化と人口減少の局面においても、我々日本人が強い信念と自信を持ち、明るい未来を創造し、ものづくりが様々な課題解決を導く国になれば良いと思っています。またそういったパラダイムシフトを日本らしく実現する事で、新たなJapan as No.1を実現し、世界から新しい評価軸で評価され、それらを通じた新たな世界への貢献手段を持つ国になれると思っています。
パッと聞くと夢物語、妄想の様に思われるかもしれませんが、日本のものづくりの力には、今でもそのくらいのポテンシャルがあると確信しています。それは十数年に渡り世界中のクリエーターや顧客と対話を重ね、各国からの日本のものづくりへの熱い思い、強いリスペクトを肌で感じてきたからこそ得られた確信です。そんな明るい日本の未来を共に描くことに、「いいね!」と思ってくださる様な方々と今年も一緒にお仕事ができれば幸いです。
それではみなさま、本年もどうぞ宜しくお願い致します。

